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5月12日(木):曇りのち雨
 今回で8回目の舳倉島遠征です。10日まで足が痛く500mmF4レンズの持参を躊躇していたのですが,折角の舳倉島なので,そのレンズと300mmF4,予備カメラ(現用カメラが壊れると困るので。)を無理して持参することにしました。(ただし,3脚は許容荷重(4kg)オーバーを承知で小型を持参。)
 11日の朝に大阪を出発して金沢の若宮神社普正寺の森で野鳥撮影の予定であったが,朝から降り続く雨が止まず撮影を断念して3時前に輪島のホテルに入りました。
 7時過ぎに輪島港に行くと青空が顔を覗かせ晴れ間が広がっていました。
 これまで,7回舳倉島に渡っていますが往路での欠航はありません。因みに9日は運航,10日は欠航,11日は運航でした。
 しかし,輪島湾には沢山の漁船が係留されており漁師の方は,これから天候が崩れるので出航しないそうです。
 舳倉島航路の運航・欠航決定は7:30なので,毎回イライラしながらその時間を待ちます。7:30に運航が決定しましたが,午後から海が荒れるとのことで突っ返しの条件付きでした。(通常,復路の舳倉島出航時間は15時なのですが,突っ返しでは船が10:30に到着後30分の11:00に出航となるのです。)今年も,ギリギリセーフで欠航の憂き目にはあいませんでした。
 いつものように,定刻の9時5分前に船は静に輪島港を出港しました。今日の乗客は13名と寂しく,船が港の外に出ると予想通り波が船底を叩きます。これから,1時間半の間は,この揺れに耐えないと野鳥の聖地の舳倉島には渡れないのです。
 20秒毎程度に船底が海面に落ちるような揺れに耐えながら定刻の10:30に舳倉島に到着です。この頃になると,早朝晴れ間があった空は泣き出しそうな曇り空となっており,気温も低く長袖の綿製スポーツシャツとカメラマンベストしか着ていない薄着を反省です。出発前日まで大阪は初夏の陽気だったのでジャンパーを持参していないのです。寒いので,昨年同様に雨がっぱの上着をジャンパー変わりに着ることにしました。
 船が舳倉島港に到着すると,港で此方に向かって手を振っている方が居られました。よく見ると,突っ返しの船で輪島に帰られる兵庫県のHさんでした。下船後直ちにHさんに野鳥情報を教えて頂くと「民宿つかさの前と公園でシマノジコが出ている,海岸でヒメイソヒヨが出ている,コウライウグイスの目撃情報が多い。」とのことでした。ワクワクする情報なので,荷物をリヤカーに積んで民宿「つかさ」に向かうまでに港近くの公園に立ち寄りシマノジコを探すことにしました。
 しかし,そう簡単にはシマノジコを見つけられず,ジョウビタキ雌が見えるだけなので取り敢えずつかさに向かい,荷物を部屋に入れた後でカメラをセットし撮影準備完了です。
 先ず,撮影開始はつかさの前の草むらからで,数羽の野鳥が地上に降りて採餌をしていました。
 10:53初めての撮影は,昨年愛想が良くなかったキマユホオジロから始めます。
 11:19つかさの前の草むらでは,キマユホオジロ以外にアトリ,イカル,アオジ,カワラヒワ,シロハラホオジロが居ましたが,シマノジコが気になりつかさの前の茂みを探しますが見つけられません。
 つかさの前の海岸に近い草むらを探していると前日の雨で出来た水たまりアズキ色の野鳥が居るのを発見し,「シマノジコだ!」と慌てて撮影撮影したのですが後ろ姿でした。回り込んで撮影しようとしたら,飛ばれて行方不明となりました。
 シマノジコを探すため公園に向かう途中の11:41曇り空の空抜けの電線にはコムクドリが止まっていました。
 公園では愛想の良いジョウビタキが飛び回っていましたが,他の野鳥は草に潜り込んで採餌中で同定は難しいのです。
 11:48に1羽が竹竿に止まったので,ノジコの雌かと思い撮影したのですが,どう見てもアオジの雌ですね。
 公園での撮影は諦めて,次は野鳥観察舎に行くと野鳥の出が悪いのかカメラマンは居らず,どの様な野鳥が出ているのか覗いてみると12:03普通のツグミが居ました。
 その他の野鳥として,キビタキ雌が出ており,暫く様子を見ていると12:09に2年ぶりにシロハラホオジロとの再会です。
 シロハラホオジロは数少ない渡り鳥なのですが,ほぼ毎年撮影できると有難味が無くなり,昨年のように出逢いがないと少し寂しく感じる野鳥なのです。
 野鳥観察舎にて昼食を摂り,これ以上ここに居ても珍しい野鳥が出そうにないので島を横断する8m道路(昨年は8m幅の中央部が舗装[3〜4m程度]された広い道だったのですが,今年は舗装部の両側に草が茂り道の広さを感じなくなりました。)を歩いていると12:18に草むらにクロジの雌が居ました。
 撮影後に海岸線に続く道を歩いている背中がやけに軽いのに気付きました。しまった!野鳥観察舎にリックを置いてきたのです。腰痛と足痛の為出来るだけ歩かないようにしたかったのですが,初っぱなから失敗をやらかしました。
 撮影機材を担いでリックを取りに行き,元の場所に戻ると500m以上の損失です。
 海岸線に続く道を歩いていると,篠竹に小鳥が止まり私との距離を保つように進行方向に飛ぶのです。
 12:33何だろうと,双眼鏡で覗くとムギマキの雌でした。その他の野鳥はアオジ程度しか目にしないので,ヒメイソヒヨの出現情報のある西海岸に向かいました。
 
 海岸線を,ヒメイソヒヨを探しながら歩きますが見つけられません。(イソヒヨと同じ習性だと思い海岸側ばかりを探していたのですが,実際は松林側に出現したそうです。)
 12:51海岸側には,例年殆ど目にしないハシボソガラスが降りていました。
 海岸沿いの道を歩いているとシラスナ遺跡に数名のカメラマンが居るのが見えました。コウライウグイスを待っているのだろうと思って歩いていると,黄色い鳥が飛んでいるのが見えました。コウライウグイスです。
 コウライウグイスが海岸の岩場に降りそうな雰囲気なので,飛ぶ方向を見ていたのですが見失いました。
 また,アマサギも飛びましたが撮影は出来ませんでした。
 海岸沿いを歩き続け,とうとう龍神池に到着です。
 この池は舳倉島唯一の淡水池で,セキレイ類,水鳥等の珍鳥出現が多いので,舳倉島訪問時には必ず行く場所です。
 池では沢山のツバメ,コシアカツバメウミネコが飛び交っており,ニシイワツバメが混じっているとのことで,ツバメの飛びものに挑戦したのですが撮影できません。(ファインダー内に入れられません
 13:10喉下が黒く,背中が灰色のセキレイが居たので,タイワンハクセキレイだと撮影しました。
 また,ツメナガセキレイかと撮影したのですが,脚の色からただのキセキレイであることが判明しました。
 13:20龍神池の島に突然セイタカシギが降りてきました。
 暫く,池で他の野鳥の出現を待ったのですが現れないためコウライウグイスでも撮影しようとシラスナ遺跡に戻ることにしました。
 診療所裏側の松林を歩いていると,20m程先の松の枝にコウライスグイスが止まっているのを発見し,撮影しようと担いでいた3脚を下ろし開脚中に飛ばれてしまいました。近くにいたのに,残念です。(手持ちレンズなら撮影できたと思いますが,画質に不満です。)
 シラスナ遺跡に戻り数名のカメラマンが集まっている場所に行き何を待っているのかお聞きすると「ヒメイソヒヨ」とのとです。また,1時間ほど前に,近くの松の木にコウライウグイスが
来たとのことです。
 一緒にヒメイソヒヨの出現を待っていると100m程離れた柵にヒメイソヒヨが止まりました。しかし,500mm+1.4倍テレコンの装備では余りに距離がありすぎて撮影不可能です。
 その内に,前方に2名のカメラマンが入りヒメイソヒヨを挟み撃ちにしたので飛び去ってしまいました。
 どうしても,ヒメイソヒヨが撮影したく松林近くの柵まで移動して待ったのですが,姿を見せません。
 ヒメイソヒヨの撮影を断念して,他の野鳥を探そうと海岸線を歩いているとマミジロ雄が道路上を歩いていましたが,背景が良くないので撮影意欲無しです。(3脚をセットするのが面倒くさい。)
 14:25雨が降り出した海岸線を歩いていると,顔の黒っぽいアカハラが居るのを見つけ,オオアカハラかと撮影したのですが眉斑があるのでマミチャジナイでした。
 NTT電波塔の近くで関西のカメラマンから「診療所裏の松林(三差路付近)でマミジロキビタキが居た。また,オジロビタキ雄を7羽程度各所で目にし,松林にも居た。」との情報を貰いその場所に行きました。
 14:25キビタキが出てきたので,マミジロキビタキと勘違いして撮影しました。(ただのキビタキです。)
 松林ではムギマキ雄の成鳥,若や雌が居りそれを撮影しようと待っていると,女性カメラマンが松の木のコウライウグイスが止まっていると教えてくれたので,少し離れたところに置いておいたカメラを取りに戻り,松の木の近くに行ってカメラをセット中に飛ばれました。カメラを近くに置いておれば撮影できたのですが,本日3回目のコウライウグイスとの遭遇は撮影失敗ばかりです。
 マミジロキビタキやオジロビタキが出そうにないのでシマノジコを求めて公園に行くことにしました。
 公園に到着すると,数名のカメラマンが屋根のある休憩所で雨を避けながらシマノジコを探しておられました。シマノジコは草むらで採餌中であり,チラチラとアズキ色の背中が見えるのですが全身の撮影が出来ません。
 16:00シマノジコが初めて全身を見せた枝止まりを撮影することが出来ました。但し,枯葉が目立ちグチャグチャしているので不満足な撮影です。
 公園にはシロハラホオジロ,ノジコ,カワラヒワ,アオジが居ますがカワラヒワ,アオジ以外まともな撮影が出来ません。
 16:11シマノジコはタンポポと絡んだのですが全身が見えない状態です。草が短ければ良かったのですが。しかし,草が短いとシマノジコは来なかったかも。
 16:37雨足が益々強くなる中,クロノビがびしょぬれで姿を見せました。ムギマキ雄成鳥も姿を見せます。
 その内に,近くにいたカメラマンから電波塔アシアカチョウゲンボウが止まっているとの情報を頂き,双眼鏡でその姿を確認したのですがパラボラアンテナのような人工物に絡んだ,空抜けの野鳥を雨の中に撮影に出るほどの値打ちもないので行きませんでした。(どうも最近はライファーな野鳥でも綺麗でなかったり,背景が悪かったら撮影する気がなくなりました。側に来たら,撮影はしたりますがネ
 16:44見慣れぬ野鳥がカワラヒワと一緒に草むらにいました。アオジの雄成鳥夏羽とも見えるのですが,黄色みが少なく顔から胸が黒灰色なのでシベリアアオジ雄若と判断しました。
 16:45公園での草の中のシマノジコ撮影はこれが限界だと判断して本日の撮影を終了しました。
 雨足はかなり強くなってきていたのですが17時過ぎにつかさに戻った頃は,歩きすぎてガラスの腰や足が限界に達していたので明日からは野鳥との出逢いが少なくなるのを覚悟で出来るだけ歩かないようにしようと考えました。