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5月16日(木):曇り
 15日は今回で10回目舳倉島遠征の出発日です。今年は2月の初めに4名4泊で民宿の予約を行ったが,いつもの民宿「つかさ」が取れず,5月16日から19日までの4泊を民宿「つき」で確保しました。ここ,5年ほどは2名での宿泊であり割り込ませていただいていたのですが,4名は人数が多いのでしょうか。
 そして,遠征が近づくに連れて1名,2名,3名と減り結局初訪島の方と2名で出かけることにしました。
 また,これまでは車に乗せて頂いて輪島まで来ていたのですが,今回は電車とバスを乗り継いで輪島まで行くことになりました。
 
 昨年は踵骨折の治癒状態が悪いままで舳倉島に来て,余り歩けなかったのですが,今年は腰痛,背中痛だけでなく出発前に熱が出て寝込み,前立腺肥大と普通なら行ける状態ではなかったのです。
 それでも,10回目の遠征なので無理をして出かけたのですが,その後辛い遠征となりました。

 JR大阪駅11:40に出て,バスを乗り継いで輪島駅(電車は廃線)到着は17:35です。予約しておいたホテルに泊まり,気持のよう大浴場に入り久しぶりに旅の気分を楽しみました。
 風呂から上がると,天気予報通り雨が降り出し雷も鳴っています。明日の船は?
 昨夜は夕食に食べた焼き鯖の巻き寿司が少し辛く,お茶を飲み過ぎたのと前立腺肥大で頻繁に尿意を催し熟睡できません。5時過ぎからテレビを観る羽目になりましたが,当然寝不足なので体が怠く気持ちが悪いのです。それでも,7時に朝食を摂り,部屋を片づけてチェックアウトのためにフロントに行きます。7時半になったので「へぐら航路」に電話を入れ,この日は運航が決定したのを確認後にチェックアウトとタクシーを呼んで貰いました。10回目の訪島でも,往路での船の欠航の憂き目に合わず,欠航率から言えば神業に近い快挙?です。なお,舳倉島航路は,13日と15日は欠航していました。
 港では大泉緑地のHさんを初め10名のカメラマンが居ました。昨日,訪島予定と聞いていたので欠航の憂き目に合われたのでした。そして,I先生家族(3名)が居られ,今日の船は知りあいが多かったのです。
 体調不良なので,初めて船酔い止めの薬を飲んだのですが,予想に反して船は余り揺れませんでした。
 定刻より5分遅れの10:35に船は舳倉島到着です。港では,兵庫県のHさんが居られ,10日から訪島されていたHさんからは「野鳥は日に日に減っている。昨日沢山居たトケン類も殆ど居なくなった。シマアオジが龍神池の側の岩場に居る。」との情報を頂きました。リヤカーを引き初めて泊まる民宿「つき」に向かっていると,公園の近くの路上に異常に赤い(うす茶色)ハチジョウツグミが居たので撮影しようと考えたのですが,Hさんから「公園と校庭の何れかに常に居る。」と言われたので民宿に向かいました。
 初めての民宿なので何処だろうと探していると,今年も先に来られている交野のKさんに出逢い,連れて行って貰うことにしました。
 民宿「つき」に到着して,女将さんに挨拶すると愛想のよい人でした。が,荷物を置くために部屋を教えて貰うと離れの大部屋でした。その部屋はKさんも泊まっており,10人部屋で殆ど布団同士が付くように2列に並べることが出来る部屋で,風呂もトイレもなく汚い洗面所があるだけです。寝るためだけの部屋であり,ショックを受け一変にやる気が無くなりました。今日は5人の方が帰られ,我々2名が泊まるので布団の間隔は少し確保できます。

 早速,カメラをセットして公園を通り(何も居ない),校庭に行くと今年は夏羽になったアマサギが居たので11:14撮影開始です。
 校庭では,以前にもアマサギを撮影しており曇り空なので色飛びの心配もありません。
 また,校庭では今年も同じ船で来られた野鳥写真家のMさん(「日本の野鳥590」のカメラマン)がスイバに止まったマヒワを撮影されていたので,11:18私も背景を選んで撮影です。この場所でプロカメラマンのMさんが撮影されていると言うことは,舳倉島に珍しい野鳥が出ていないと言うことです。
 今期マヒワの飛来数が多く,梅,杏,桜止まりの撮影をしましたが,島では渡ってきたばかりなのか網で掬えるほど居ました。

 校庭は2009年の島を横断する8m道路工事中には機材置き場となっており,工事前まではツグミ類,ホオジロ類,ノジコ等色んな野鳥が居たのですが,機材が片づけられた後に鳥も来なくなりました。
 公園にアマサギ,マヒワ以外の野鳥が居ないので野鳥観察舎に向かっていると,11:21公園の近くにいたハチジョウツグミが居ました。
 これまで撮影したことのあるハチジョウツグミは,背がこれ程赤くなかったので不思議な個体です。
 背景は悪いのですが,過去に「後で撮影しよう。」と思っていたら,その後姿が見えなくなった経験があるので取り敢えず撮影でした。
 11:23野鳥観察舎に行くため,診療所裏を通るとコサメビタキが居ました。その他,目にしたのはマヒワだけで,例年オオルリやキビタキが飛び交っていたのですが,今年の訪島が5月18日と遅かったので通過してしまったのでしょう。普通の野鳥でも,鳥が少ないと寂しいです。
 野鳥観察舎に行くとカメラマンは誰もいません。珍しい野鳥が出ていると,狭い観察舎は人で溢れるのですが人が居ないと言うことは,野鳥が居ないと言うことでしょう。
 取り敢えず観察舎に上り,11:29カシラダカ雌を撮影です。
 これまで,ここではシロハラホオジロの情報が多かったので,その雌だと思ったのですが冠羽があるのでカシラダカですね。
 11:29その他の野鳥はツグミが居ただけなので,龍神池まで移動することにしました。
 龍神池ではツバメやウミネコが飛び交っているのですが,めぼしい野鳥が居ません。すると,突然大型の鳥が対岸に降りたので,何だろうとレンズを振っている内に小鳥を追いかけて草むらに隠れました。
 龍神池の対岸までは距離があり,これまで撮影時は500mm+1.4倍テレコンを装着しているのですが,今回は腰痛のため短い400mmF5.6でした。そして,最近撮影には照準器に頼る癖がついてしまったのに,この時はそれを付けていなかったので鳥をとらまえるのが遅れました。

 やがて,鳥は小鳥の捕獲を失敗したのか草むらから飛び去りました。その鳥は,今まで撮影したことのないアカハラダカであることが判りました。
 龍神池には例年,1日に1回は訪れて珍しいセキレイを探します。撮影したいのは,イワミセキレイとキガシラセキレイなのですが今年も居ませんでした。(ハクセキレイだけが居ましたが。)

 龍神池も鳥が少ないので,教えて頂いた岩場にシマアオジの撮影に向かいました。
 そこでは10名近いカメラマンがシマアオジを撮影されていました。
 シマアオジはカワラヒワの群に混じっており,背景は岩場で綺麗ではありません。そして,距離もあったのですが11:52撮影です。
 カワラヒワの群は,シマアオジ共々時々何か驚いたように飛び立ち,暫くすると戻ってきます。
 シマアオジを昼食を食べながらまっていると,12:21夏羽のカシラダカが姿を見せました。
 これも背景が岩場で綺麗ではありません。
 シマアオジとは,これまで相性の悪い野鳥で9回目の訪島の昨年にやっと海岸で撮影できました。しかし,天気が良すぎて葉が光り,シマアオジの黄色も色飽和寸前でした。理想的には,背景がグリーンに抜けた枝止まりなのですが,岩では枝止まりは無理なので,せめて背景がグリーンの場所に来ないかと待ちました。

 この日は,雨の降り出しそうな曇り空で風がきつく,岩場では風を遮るものがないので非常に寒いのです。この時期の舳倉島では天気が悪い日には寒い日が多く,薄手のジャンパーを着込んでいたのですが寒くて震えが来ます。
 12:28に汚い背景でシマアオジを撮影したのですが,これ以上寒さに耐えきれず場所を移動です。
 もう一度,珍しい野鳥が出ていないかと龍神池によると,12:44割と近い距離にセイタカシギが居たので撮影です。
 セイタカシギは,野鳥撮影を始めた頃は珍しい野鳥だったのですが,最近は普通の野鳥に変わりました。
 龍神池に居てもこれ以上珍しい野鳥が出そうになく,今回の同行者は初訪島なので島を案内する意味も込めて西海岸沿いを歩くことにしました。
 この海岸では,タヒバリ類が多いのですが目にしたのは,13:07キアシシギでした。
 シラスナ遺跡まで歩いたのですが,鳴き声が聞こえるのは姿を見せないウグイスと,草の上のアオジだけでした。
 島を横断する8m道路を通り,NTT電波塔を通り過ぎて野鳥出現が多い三叉路付近に行くと,13:32カキドオシの側にマミジロが出ていました。
 この場所は,1昨年至近距離でヒメイソヒヨを撮影した場所だと思いながら,暫くマミジロを撮影することにしました。
 何しろ,花絡みのマミジロはなかなか撮影できませんから。
 この近くには,道から5m以上入り込んだ篠竹の中に餌付け場所があり,同行の方に餌付けをお願いしていると14:05マミチャジナイが出てきました。
 マミチャジナイは沢山の餌を食べ,他の鳥を寄せ付けません。
 14:24マミチャジナイが姿を消すと,今度はカラアカハラが出てきました。
 カラアカハラは,過去9回の訪島で雄を撮影できていないので2月に岡山まで撮影に行ったのですが,1回撮影すると簡単に出逢えるようになるようです。
 その後,マミチャジナイとカラアカハラが交互に姿を見せるのですが,背景が代わり映えしないので撮影に飽きてきます。
 野鳥が少なく,野鳥観察舎を覗いて,校庭を通り民宿に帰るために公園を通ると15:45ハチジョウツグミが居たので撮影です。
 背景にもっとグリーンが欲しかったのですが。
 また,公園では15:47シメが居たので撮影して,民宿に戻りました。
 そして,寒いので風呂に入ろうと考えたのですが,この民宿では風呂は1箇所(母屋だけ)しかなく,既に10名近くが風呂の順番を取っており面倒くさくなったので風呂は止めました。この民宿では25名以上の泊まり客が居り,1人10分の入浴時間としても4時間以上の時間を要します。10人部屋は火の気が無く寒いので布団を敷き潜り込みましたが,未だ寒いので5月半ばを過ぎたのに部屋に暖房を入れました。18時から夕食を摂り,早く寝ようとしたのですが7人もいると行動はまちまちで,消灯されたのは21時を過ぎていました。そして,私は寝付きが悪く,早速鼾の合唱が聞こえてきます。